新・さ迷える転職大変記 第14話 「面接中に居眠りされる」

居眠り

また1ヶ月ほど間が空いてしまった、今は2017年の大晦日。転職活動していた時期は2012年-2014年の間なので記憶が薄れつつあるが、思い出して書いてみる。

死ぬ気でやれ

減給されて、さらに会社の存続も危ういと言われてしばらく休んでいた転職活動を再開したが、いい会社はまだ見つからない。

会社の上司からは「死ぬ気でがんばれ」と言われる。死ぬ気でがんばれと言われてがんばれるような人がたくさんいたらたぶん会社は傾いていないし、上司が死ぬ気でがんばれって他人に言うっつーことはまあとにかくきついんだ、みんな。

死ぬ気でがんばるかどうかを決めるのは大体において自分なので、他人から言われてがんばれるかよという思いが沸いてきてやる気はどんどん無くなっていく。が、上司もきついんだなと思うと少し気持ちが楽になった。

そして、毎年秋にリリースしているPCアプリの企画書を作れと上司に言われた。

実は私はこのアプリの動画エフェクトを作る人として会社に入ったのだが、当時のプロジェクトのリーダー(私の元上司)はプロジェクトから外れてここ数年は私がほぼリーダーという立ち位置になっていた。

そのときは私が決めて私が作るという感じになっていた。実際のアプリ本体を作るのは中国にある下請けの会社なのだが、そことのやり取りは私がしていたので、まあとにかく私の仕事なんである。

さらにパッケージ作るのも、ウェブサイト作るのも私の仕事なので、毎年秋の憂鬱な仕事のひとつだったのである。

会社においては「私=そのアプリ」という図式が出来上がっていたので、逆に言うと私が死んだりいなくなったりしたらそのアプリはリリースできないんである。

だからこのアプリを出すのは今年を最後にしようと思ったのである。勝手にそう思ったのである。

会社を辞めようと思ってからもうすぐ3度目の秋となるので、アプリのリリースも辞めようと思ってから3度目ということになる。

とにかく勝手ながらこの3回目を最後にしたいなと思ったのであるわたしゃ。

恵比寿のスマホアプリ会社に面接が決まる

そしてまた面接が決まった。

恵比寿にあるスマホアプリの開発会社で、20人くらいの規模でやっている新しい会社だ。社長もたぶん30代で私とあまり年齢もかわらない。

会社の短い夏休み(3日間くらいだったと思う)の初日に面接に行ってきた。蒸し暑くてスーツが汗びしょびしょになった。

会社は恵比寿駅から徒歩5分くらいのところにある雑居ビルの1フロアだった。

会社のフロア全体を見ていないのでなんともいえないがとても狭いところだなという印象だったが、いまどきの会社っぽくエントランスはこじゃれた雰囲気だった。

まず適性検査というテストを受けた、プログラミングの基礎的な問題が書かれていた。たしかfor文で何かを作れ、みたいな問題が数個あったような記憶がある。

緊張しているのもあって、あまり問題を解けずに社長との面談に移った。

社長に居眠りをされる

社長は入社してもらったら私に会社のデザイン関係の部分を担当してほしいようだった。

いまデザイナがいないから、こういうデザインしかできていない、だからあなたにはデザインがんばってほしい!と言われたような気がするが、私がプログラミングの経験がほとんど無いという話をすると少し雲行きが怪しくなり始めた。

技術責任者も出てきてと彼と私が話し始めると、なんと社長が居眠りを始めた。注意してやろうかと思ったが、まあこりゃこの会社に縁がないのだなと思ってあきらめた。

社長が居眠りをするというのは、結果的に10回ほど受けることになった転職の面接で後にも先にもこれが初めてで最後だった。まあ失礼な社長である。

この社長は自分の話だけをしたいだけのタイプの可能性もあり、こりゃ会社に入ったら疲れるなと思った。社長にはよくいるタイプだけど最初の面接でそれ見せるなよと思った。私が会社に入らなくても何かの縁で再会するかもしれないじゃんし、そんなんで大丈夫か?

で、その会社は落ちた。行くつもりがあったかと言われるとかなり悩んで辞めた気はするが、社長に居眠りされて落とされるのは気分が悪い。

今後何かの縁があって再会してもあの社長には冷たくしてやろうと心に誓った。

※この面接のことは前にも投稿している( さ迷える33歳-転職大変記

そして、新入社員2人が辞めさせられる

そしてまた、人が居なくなることに。4月に入った新入社員の男女2人が辞めることになった。いや、辞めるという表現は適切ではなく、辞めさせられることになったのだ。

理由は経営がやばいから。

さすがに半年で辞めさせられるとは先輩社員の私たちも考えていなかった、本人たちは呆然としていた。そりゃあそうだ、でも半年でやばい場所から離れられると考えれば彼らにとってはまあそれだけが救いか。

辞めると決まった2人は呆然としつつもわりと前向きになっていたので、私は安心したが、周りから人がどんどん居なくなっていくというのは、残される側からするとまあ辛いですな。

早く転職したい。

次回に続く。

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