電車の中で読むべし 『パンク侍、斬られて候』

書名:『パンク侍、斬られて候』

著者:町田康

ISBN: 978-4043777037

刊行日:2006年10月

価格:-

発行:角川文庫

ページ数:360

形態:文庫

「爆笑の時代劇だ!」と聞いていたので、文庫になったら読もうと思っていて遂に読んでみた。

町田康は「マチダヤスシ」だと思っていたのだが、どうやら「マチダコウ」だという事がわかった。

作家の名前の読み方を間違えるという事はよくあるが、正しい名前がわかった時になんだか損した気分になるのは私だけだろうか。

設定は時代劇でありながら、登場人物達は現代の言葉と文化を身につけている。

だから刀を差した浪人がフランク・ザッパやボブ・マーリィの事を唐突に話し出したりするのである。

仕事に行く途中の電車で読み始めたのだが、笑いを堪えるのがとても苦しかったので家で読むことにした。

だが家で読むと、たしかに笑えるのだが、爆笑とまではいかないことに気づいた。

けして『パンク侍、斬られて候』が面白くないというわけではなく、電車という一人で笑っていてはマズイ場所で読むというスリリングな快感がなくなってしまったのだ。

私の敬愛する「かなざわいっせい」というおじさんが、本は立ったまま読むのがよろしいと言っていたのだが、たしかにその通りだと思う。

私も電車のドアの脇に立って、あのドア脇の手すりのような部分に寄りかかって本を読む時が一番読書に集中できる。

家にいると、パソコンやらテレビやらと読書中の私を誘惑してくるものが多いのだ。

電車だとせいぜい車窓の風景を眺める事くらいしかやる事がない(私はスマホは車内ではできる限り見ないようにしている)、さらにまわりは他人ばかりなので読書をする事で他人ばかりの外の世界から自分だけの世界に入り込めるという効果もある。

電車の中で笑いを苦しみながら堪えて無理にでも読み続ければさらに面白かったのではないか?と思っている。