裏稼業の人間が本番前にインフルエンザになったらどうするのか 『ギャングスターレッスン ヒートアイランド2 』

ヒートアイランド2 ギャングスターレッスン

  • 書名: 『ギャングスターレッスン ヒートアイランド2 』
  • 著者: 垣根涼介
  • ISBN: 978-4167686031
  • 刊行日: 2010年4月10日
  • 発行: 文春文庫
  • 価格: 619円(税別)
  • ページ数: 343
  • 形態: 文庫

前作『ヒートアイランド』の結末ではアキが柿沢と桃井の仲間になるかどうかはわからなかったが、やはりと言うべきかアキはその誘いを受けた。

ギャングスターレッスンという名前の通り、アキが柿沢と桃井のもとで裏稼業の実地訓練を行い、実際の仕事をするのが本作である。

垣根涼介の作品なのでもちろん車が出てくる、主人公の一人である桃井は開店休業中ではあるがチューンショップのオーナーでありエンジニアであり、その桃井からアキが車のチューニングを教わるシーンも出てくるし、そのシーンの登場人物たちはとても楽しそうである。

前作を読んでいる前提があるであろうが、かなり安心して読める物語であった、今回は確か人も死なない。

インフルエンザにかかり、自宅の二階で苦しんでいる状態で読んだのだが、彼らのような裏稼業の人間たちは実行前にインフルエンザにかかったりしたらどうするのだろうか、緊張しているからインフルエンザにかかったりはしないのか。

「犯罪者 インフルエンザ」でGoogleで検索してみるとなんか出てくるかなと思って調べてみたが「インフルエンザ感染者は犯罪者扱い?」みたいなタイトルのページばかり上位にやってくる。

感染するだけで犯罪になるのか、であれば感染させたらさらに重罪か、つーかどうやって感染経路を実証するのかって馬鹿らしい。

というか「犯罪者 インフルエンザ」という検索ワードがいけないな、じゃあ「アウトロー インフルエンザ」でどうだ。うーん私の気になるような検索結果じゃなかった。

じゃあ「本番前 病気」でどうだ!うーん。ダメか。

誰も気になっていないから誰も何も書いていないのか、いや気になっている人はいるはず、ここに一人いる、私が。

で、私が裏稼業の人間だったと考える、まずインフルエンザになったかもと思ったらどうするか。

保険証はダミーのものかもしれないから、本物の自分の保険証を使うかどうかまず迷う、いやそもそも病院に行くかどうかに迷う、この病院は警察関係者が多いとか、タレこみ率が高い!とかタレこみ率ってそんなもん誰が調べて発表しているのかわからないが裏稼業の回覧板みたいなのでそのタレこみ率が高い病院がリストアップされているのだ、たぶん。

まあでもつーことは裏稼業用の病院みたいなのはあるはずで、そんな病院が開業すると裏稼業の回覧板にお知らせが出るのである。だからその病院が自分の家から近いかが問題になるのだろうが、おそらく裏稼業の方々はある程度まとまった地域に住んでいるはずである、人の出入りがあまりない田舎ではなくて、ある程度出入りのある都市部ってこと、だから東京なら都下ではなく都内であり、人口密度の高いところに住むのであろう、深夜の出入りも不審がられないような、つーことは都内のタワーマンションみたいなところか。

そうかああいうところに住んでいるのか、ってたぶん違うか。まあつまり裏稼業の方々がまとまって住んでいるとしたらその地域にはそれ専用というか裏稼業歓迎の病院があって、そういうところに行くんだろうな。

おそらくそういうところだから保険証とかもなくて、カードに個人情報も記入させない、医者も患者もマスクにサングラスで相手がわからないようにしている、名前を呼ぶときも番号で呼ぶので名前はバレない、さらに誤診などをしたら裏稼業の人たちがお客さんだから大変で、医者は緊張感のある中で仕事をしているので腕はいい。

人に言いにくい病気などになったら私も行きたいかも、顔も見られないし名前も呼ばれないって結構いいじゃん。

以前、股間が腫れてしまい泌尿器科に行ったことがあるのだが、アレは結構恥ずかしい、さらにその病院は泌尿器科以外もやっている病院なので女性も何人か居てどんな顔で待合室で待っていたらいいのやら、なんつーか大変だった。

結論、裏稼業の人たちがインフルエンザになったら裏稼業の回覧板に載っている病院に行く!のだ。たぶん。