外でウンコができない君たちに向けて 『東方見便録 「もの出す人々」から見たアジア考現学』

東方見便録

  • 書名:『東方見便録 「もの出す人々」から見たアジア考現学』
  • 著者:斉藤政喜
  • イラスト:内澤旬子
  • ISBN: 978-4167157173
  • 価格:600円(税別)
  • 刊行日:2001年4月10日
  • 発行:文春文庫
  • ページ数:429
  • 形態:文庫

東方見聞録ではなく、東方見便録である。アジアのトイレ事情を特にウンチ(ウンコ)の視点から捉えたのが本書である。

内澤旬子がイラストを描いたというので以前より気になっていたのだが、新刊書店では見つからない、「内澤旬子のウンコの本」と頭の片隅にずっとあったのだが渋谷のブックオフの100円文庫コーナーで無事に見つけられた。

著者である斉藤政喜はバックパッカーであり野宿の達人でもあるらしい、彼が中国の開放トイレや天安門広場の穴だけトイレ、ブタにウンチを食べさせるトイレ、インドやイランのアーフターベのお水でお尻をキレイにするトイレ、タイの「本物」水洗トイレなどに体当たりでウンチ体験をする。

トイレの実際の写真を載せると汚いので、実際のトイレの様子は内澤旬子のイラストで説明されている。

私は30歳くらいになるまで外でウンチができなかった、潔癖症のため人の使った洋式便座が汚く思え、やむを得ず外でトイレに入っても持参したアルコールティッシュで入念に便座を拭いてからでないとウンチができなかった。

外でウンチができないため、死ぬ思いで家に帰ってきたことも多々ある。電車に揺られながら、う、ヤバイ、これはやばい・・・漏れてしまう、ここで漏らしたら人生終わるな、と悶えつつ駅に着き、家までの道のりを身体をくねらせ汗だくになりながら歩いた。

途中の公園のトイレでしようかと思ったりもしたが、汚いところではできない・・・ってアホか。でも数年前までそんな状態だったのである、あたしゃ。

それが少し変わったのは子供ができてからで、子供と外に出ていると私の都合でウンチをするキレイな場所を探す、みたいなことはできないのだ。

やむを得ず、と言ってもデパートのトイレだが、そこでブリブリっハァーとウンチをすることができるようになったのだ。

で、最近思ったのだが家のトイレはともかく、不特定多数の人が使う外の大便器は和式にするべきではないかと思ったのだ、だって便座がなくて汚い便座にお尻が触る不快感がないではないか、和式は。

以前、やむを得ず入った府中競馬正門前駅のトイレが和式で、なんかイヤだなと思ったがウンチをしてみるとお尻が便座に触れないっつーか便座がない!これは画期的!と感動したのだ。

本書でも色々なトイレが出てくるのだが、一番汚いなと感じるのは密室の洋式のトイレなのだ。中国の悪名高き?開放トイレはそこまで汚い感じはしない、さらに野グソに近い状態になるともうほとんど汚く感じないのだ。

つまりトイレの何がダメって、密室でわけわかんないというか知らない人のウンチのようなものに触れなくてはならない状態であり、なんつーかそれは洋式の日本によくあるトイレが一番汚い感じがするから私がそれに嫌悪感を覚えてもしょうがないっていうか、世のトイレは天井をなくして和式にすればいいのではないかそうではないかって思うのだ。

あと、本書は会社の昼休み中に弁当を食べながら読んだが、ご飯食べながら読むのに向いた本ではありません。