父親にとって娘は 『海ちゃん、おはよう』

父と娘

  • 書名:『海ちゃん、おはよう』
  • 著者:椎名誠
  • ISBN: 978-4022643292
  • 刊行日:2004年5月14日
  • 発行:朝日文庫
  • ページ数:306
  • 形態:文庫

椎名誠の子供と言えば息子の岳君が有名であるが、本書は娘の海ちゃんが主人公の物語である。

実際の娘の名前は海ちゃんではないらしいのだが、椎名誠が娘に一番付けたかった名前が海ちゃんだったのかもしれない。

20代中盤に結婚し、しばらくして娘が出来た椎名誠夫婦。その当時の自伝的実話的小説が本書である。

娘の誕生にアタフタし、娘の笑顔に幸せを感じる若いお父さんの温かい文章。

主人公(椎名誠)が初めて海ちゃんに出会う時、「小さな赤いニンゲン」という言い方をするのだが、その表現がなんだか初めて出会う赤ちゃんというものに対する適切で温かい表現だなと思った。

話の時代背景としては椎名誠がデパート業界雑誌に勤務している頃であり、椎名誠の代表作である『哀愁の町に霧が降るのだ』から続く自伝的小説シリーズのアナザーストーリー的な部分もこの本にはある。

我が家の2番目の子は女の子だった、最初に生まれたのは男の子だったのでというか私の一方的な思い込みなのかもしれないが、私が男であるので息子は自分の分身のような感じがするのだが、女の子はそんな感じがしなかった。

どう接すればいいの?女の子っつーのは父親にとってどんな存在なのか、どうなんだ?と思ったのだが時々私がよくする困った表情にそっくりな顔をしたりして、女の子も男の子も一緒だなと思ったのだが、やっぱり女の子は謎だなと思ったりもする今日この頃なのだ。