醍醐電脳 『悪忍 加藤段蔵無頼伝』

悪忍 加藤段蔵無頼伝

  • 書名: 『悪忍 加藤段蔵無頼伝』
  • 著者: 海道龍一朗
  • ISBN: 978-457566421
  • 刊行日: 2009年12月13日 第1刷
  • 価格: 838円(税別)
  • 発行: 双葉文庫
  • ページ数: 507
  • 形態: 文庫

本作は鳶加藤または飛び加藤とのあだ名を持つ加藤段蔵が主人公の歴史忍者小説である。

悪忍というタイトルだけあって、ダークヒーローの加藤段蔵が朝倉家の越前や長尾家の越後で暴れまわるのだが、本作ではその内容も吹き飛ぶすごい誤植があった。

それが下記。

電脳

左ページの8行目の中段に注目、「天皇」じゃなくて「電脳」。

醍醐天皇が「醍醐電脳」である。

「てんのう」とタイプしたかったところ、手が滑って「でんのう」と入力してそのまま気づかずにスペースキーを押して、「電脳」になってしまったのだろう。

でも気づかないのか、これ。

作者が入力したデータがそのまま使われているのか、誰かが打ち直している時に間違ったのか、それとも校正時に間違って直してしまったのか、どこで「電脳」が紛れ込んだのか。

竹生島とか天女とか竜神とかが出てくる昔話風のページ、ここに「電脳」。

すばらしい違和感。

昔話がいきなりSF。

私が読んだのは第1刷なので2刷以降では修正されているのかも気になる。

話自体は、先が気になる終わり方だった。

調べてみると続編『修羅 加藤段蔵無頼伝』が出ている、こっちにも強烈な誤植があるとうれしい。