ドラえもん全巻はいくらで売れるのか

ドラえもん てんとう虫コミックス

  • 書名:『ドラえもん』(1~45巻)
  • 著者:藤子・F・不二雄
  • ISBN:-
  • 刊行日:1974/7/31(第1巻の刊行日)
  • 価格:450円(1巻あたり、税込?)
  • 発行:小学館
  • ページ数:-
  • 形態:コミックス

我が家はこれから数ヶ月のうちに引越しをする予定だ。

引越しは荷物が少ない方がいい。

なのでいらないものを捨てるか、売るか、ということになった。

最初に白羽の矢が立ったのが「ドラえもん全巻」である。

数年前、たしか2005年の春か夏。

私は蔵前にあるおもちゃ問屋にバイトとして入り、初めてフルタイムで働き始めた。

と言っても水曜日には休みをもらい週4日しか働いていなかったので、「ほぼ」フルタイムである。

八王子の山の中にある大学を卒業し、1年近く映画撮影の真似事をしていた。

映画で食べていく!と周囲には言っていたが、よほどの努力とやる気がなければ映画で食べていくのは難しく、私には努力もやる気も、そして才能も・・・無かった。

そこでマジメに働こうと考えてまずバイトを始めたのである。

蔵前でのバイトの初めての給料で買ったのがドラえもん全巻である。

1冊450円なので45巻で20,250円でお買い上げであった。

実は小学生の頃に全巻を揃えていて、その全巻はどこかに行ってしまった。

だから人生で2回目のドラえもん全巻である。

2回目の全巻だからなのか、10巻くらいまで読んでこの話読んだことあるなと思ってそれ以降が止まってしまった。

で、ずるずると手放せずに今に至ったのだが、読まないのであればただのお荷物であり、さらにヤフオクで検索すると10,000円くらいで売れることがわかりヤフオクに出品することにしたのだが、ヤフオクは写真撮影に商品説明、さらに入金確認後の梱包・発送手配と結構面倒である。

以前にヤフオクへの出品を行ったのだが、結構な手間がかかり、高額な品を多数出品しない限り割りに合わないなと思っていた。

で、今回はヤフオクの代行屋さんに頼むことにした。

代行屋は、商品を送ると撮影から出品・発送まで全部やってくれる。

ただ、手数料を30%近く取られる。

しかし、手間を考えると代行屋の方が楽ではないのか?と考えて代行屋に送ることにしたのだ。

ドラえもんを全巻代行屋に送ると、忙しいのか出品まで3週間近くかかった。

さらに、やっと出品されたと思ったが出品価格が15,000円・・・

ヤフオクで売りたい場合に守らなければいけないルールがある、それはスタート価格が安いことである。

お客さんは同じ商品が複数出ていた場合まず現在価格が安い方をチェックする。

実際の落札価格がいくらになるかはわからないが、現状で安い方に注目するのはお客の心理としては当たり前のことである。

だからまず、安い価格で目立たなくてはならない。ちょっとでも高いと目に入らなくなってしまうのである。

ライバルがいない状態であれば値付けは自由であるが、ドラえもん全巻はライバルも多い。

わたしとしてはせいぜい10,000円スタートが妥当ではないかと考えていたので意外であった。プロであるはずの代行屋がそんなミスを犯すとは・・・

もちろんドラえもんは落札されなかった、私はすかさず代行屋に値付けが強気すぎるので次は10,000円くらいでいってくれないか?それがダメならキャンセルするとメールをした。

代行屋からはすぐに返信が来て、私らは3ヶ月間出品をし続ける、次は1万円で出す、キャンセルするならキャンセル料がかかる、キャンセルするか?

と来たので、じゃあもう任せる、好きにしろと返した。

3ヶ月出品をし続けるというのは、大体ヤフオクの出品期間は1週間程度だが、落札されなければ再出品ができる。

売れなかったら値段を変えて出品を繰り返すという意味である。

すぐにドラえもんは10,000円で再出品された。

で、結局ドラえもんは13,800円で落札されたのだ・・・

やはり私の読みは正しかった、代行屋の値付けはアホすぎると思ったのだが。

待てよ、これは代行屋の正しいやり方ではないか?と気づいた。

まず、できるだけ高い値で出す。

ここがポイントである、そもそも出品を依頼する人は自分の商品が安く売れるなどとは考えていない。

だから安く出したら怒られるのだ。

まず考えられる最高値で出して、徐々に3ヶ月かけて売れる値段まで落として行くのだ。

そうすれば代行屋はお客への義理は果たしつつ、商品は売れるということなのだ。

つまり最初に15,000円で出したのは私に対して、

「私らはあなたの商品がこれくらいで売れると思ってました、いい品物ですもんね」

というアピールなのである。

それに対して強気すぎるなどと言ったのは見当はずれなのであった。

で、結局私はドラえもん全巻に引き続きいらなくなったスマホやらを再度その代行屋に頼むことにしたのである。